限定承認のデメリットとは?

限定承認とは、故人に債務があった場合、その継承をプラスの遺産の範囲内に留めることができるという非常にメリットの大きい遺産相続方法です。
しかし何事にもデメリットというものはあるものですよね。
限定承認にも、それなりのデメリットはあります。
今回はそのデメリットについて、少し掘り下げて解説します。

まず一つ目のデメリットとなるのが、税金です。
限定承認の場合、不動産などに譲渡所得税という税金が課せられてしまうのです。
これは限定承認の場合、故人が自分の資産を相続人に譲渡したとみなされるためです。
譲渡所得税は相続が発生した日の時価による譲渡価格によって課税対象金額が変わってきますので、実際にどの程度の金額が課税されるのか確認してから手続きをした方が良いでしょう。

次に挙げられるデメリットは、法定相続人全員で承認しなければならないことです。
単純承認と相続放棄は個人で行うことが可能ですが、限定承認は法定相続人全員で申述しなければならないのです。
つまり法定相続人のうち一人でも単純承認をしてしまった場合、限定承認は実現不可能となるのです。

相続人が配偶者と子供、孫のみの場合などは問題にならないことも多いですが、兄弟や甥や姪などが法定相続人となるケースでは、意見が割れることも多くなります。
家計を共にしていないと、故人の経済状況が把握できないことが多くなるからです。
「甥Aは故人と仲が良く借金などがないことを知っていたため単純承認を希望しているが、甥Bはほとんど付き合いがなかったため、限定承認を希望している」
といったようなトラブルは少なくありません。
この場合、甥Bがどんなに限定承認を希望していても、甥Aが単純承認をしてしまえば限定承認は現実不可能となります。
甥Bはリスクを承知で単純承認するか、リスク故に相続放棄するか、どちらかになるのです。
ちなみに相続放棄した人がいた場合、その人は法定相続人ではないとみなされるので、相続放棄をする人がいる分には問題ありません。